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静岡県三島市にある内科クリニックです
標榜科:内科・循環器科・呼吸器科
総合内科専門医、循環器専門医の知識を生かして診療を行っています
医療法人社団久仁会 宮内まこと記念クリニック
〒411-0037 静岡県三島市泉町9-44
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E-mail : miyauchi-cl@biscuit.ocn.ne.jp
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脂質とは…
●細胞膜の構成成分の一つです
●ホルモン(副腎皮質ホルモンや性ホルモン)の原料です
●胆汁酸の原料となり、消化作用を助けます。 中性脂肪:食物を通して体内に取り入れ
るものと、肝臓で合成されるものとがあります。 その働きには…
*体温を一定に保ちます
*皮下に貯えて外部から受ける衝撃から内臓を守ります
*体を動かすエネルギー源となります
コレステロールはからだに良くないものだと思っている人が多いのですが、増えすぎることが問題です。LDLコレステロールは、肝臓でできたコレステロールを全身の細胞に運ぶ重要な役目がありますが、増えすぎると血管壁に侵入し動脈硬化を起こします。一方、HDLコレステロールは、細胞内や動脈内にある不要なコレステロールを拾い集めて、肝臓に戻す役割を果たしています。つまり、多過ぎると悪さをするLDLをHDLが抱えて戻るため、動脈硬化を防ぐという意味で、HDLは善玉コレステロールと呼ばれています。
【診断基準】
血液検査で、
LDLコレステロール:140mg/dL以上
中性脂肪 :150mg/dL以上 であった場合、脂質異常症と診断されます。
特に自覚症状もなく、日常生活に不都合なこともないため見過ごされがちで、健康診断などの血液検査で発見されることが多いです。脂質異常症の方と潜在患者とを合わせると、なんと 3,000万人もいます(平成26年調査)。国民栄養調査から見ると、男性は30代から、女性は50代からほぼ2人に1人が脂質異常症の状態にあると考えられます。しかも、自分が脂質異常症であることを自覚していない人が多く、自覚している人はわずか30%という報告があります(平成11年国民栄養調査)。
脂質異常症と診断された場合、原発性のほかに、別に原因となる病気がある二次性のものがあります。糖尿病、腎臓病、内分泌疾患、ネフローゼ症候群が原因で、脂肪の値に異常が出る場合があります。高血圧や糖尿病に比べると、脂質異常症は軽視される傾向があり、いくつかの調査からも、その怖さが認識されていないという結果がでています。
低HDLコレステロール(40mg/dL未満):HDLコレステロールが少ないと余分なコレステロールを回収しきれず、残ったコレステロールが血管の壁にたまりやすくなります。運動しない、内臓脂肪が多い、たばこを吸う人にHDLコレステロールが低い傾向があります。
合併症
動脈硬化はさまざまな危険因子が重なり合って起こります。それらの危険因子を除いていけばある程度防ぐことができます。脂質異常症も重大な危険因子のひとつです。このため高脂血症は、自覚症状は全くなくても、早くみつけて治療することが重要です。日本人の死因の第2位と第4位を占めているのは、狭心症や心筋梗塞などを含めた心臓病と、脳出血や脳梗塞などの脳卒中です。死因の第1位はがんですが、心臓病と脳卒中を合わせると総死亡の約30%を占め、がんにほぼ匹敵します。動脈硬化を防ぐことはとても重要です。
【治療】
食事療法
脂質異常症は、遺伝子異常や他の病気に伴って現れるものは少なく、8割以上は生活習慣に関連した原因が重なって発症します。遺伝的な素因のほかに、過食、高脂肪食、運動不足などの悪い生活習慣や、それによる肥満があげられます。つまり、食事にからんだ要因がいちばん多いのです。まず、食事に気を配って食生活を適正に保つことが重要です。
酸素をたくさん消費しながら行う、いわゆる有酸素運動が効果的です。楽しくて、長く続けられる運動を選ぶことが重要です。誰にでも勧められるのは、ウォーキングです。ウォーキングはちょっとした時間でも、どこででもできるので、毎日続けましょう。それが無理ならば、はじめは1日おきでも、1週間に2日か3日でもかまいません。運動時間が短くては効果がないなどと考えずに、からだを動かすことを楽しんで、運動を習慣にして下さい。
薬物治療
薬物治療の目的は、単にコレステロール、中性脂肪を下げることではありません。その先の合併症である心筋梗塞や脳梗塞の発症を抑えたり、再発を予防することにあります。
脂質異常症治療薬の分類
1. 主にコレステロールを下げる効果がある薬剤
2. 主に中性脂肪を下げる効果がある薬剤
3. コレステロールと中性脂肪の両方を下げる効果がある薬剤
陰イオン交換樹脂(コレバイン)
小腸内で胆汁酸(肝臓でコレステロールを原料としてつくられる)と結合して、その排泄を促す薬剤です。体内に胆汁酸が少なくなると、肝臓はその不足分を補おうと、コレステロールを活発に消費するようになり、その結果、総コレステロールが減ることになります。副作用として、お腹がはったり、便秘になることがあります。
プロブコール(シンレスタール)
LDLコレステロールは酸化されて血管の内膜に蓄積されます。その酸化を防ぐ強い「抗酸化作用」を持った薬剤です。副作用として、過敏症、胃腸障害が起こることがあります。